株式会社わくわくスタディワールド

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思考筋を鍛える

わく☆すた,美月です。
経営コンサルタントをやっている知人が本を出した,というので読んでみました。
一応実務書ですが,「実話に基づく組織変革ストーリー」ということで,楽しく読めました。ミーティングで人間が変わっていく瞬間が,とっても面白く,会社で起こることって実はドラマみたいなんだなぁ,としみじみ感じました。「ザ・チェンジ! ~人と職場がガラリと変わる12週間プログラム~」,出だしはちょっと低調ですが,入り込むと一気に小説のように読めますので,よかったら手にとってみてください。
今日は,その本の中にもあった,「思考筋を鍛える」という話です。
本の中に出てきた,「わかさフーズ(仮名)」という食品会社では,会社中に「考えない症候群」が蔓延していました。それだと,「新製品を開発しよう!」と社長が呼びかけても,うまくいくはずがありません。ということで,まず,自分の頭で考えられるようにするため,つまり思考筋(思考力)を鍛えるためのトレーニングを開始します。
思考筋を鍛える,はじめの一歩のトレーニングで紹介されているのが,下の2つです。
 「話を聞く」
 「ノートに書く(メモを取る)」
。。。当たり前のようですが,言われてみると,結構できてない人は多いです。
他人の話を聞きながら,同時にメモ(ノート)を取るというのは,脳を活発に動かす必要があります。『話し手の言葉を頼りに意図を汲み取り,要点をまとめ,最適な言葉を選び出し,手を微妙に動かして文字を書く』。この一連の動作は,結構複雑ですし,思考力を鍛える作業になります。人の話を聞いてメモ取る習慣を続けて行くと,集中力も高まるし頭もよくなります。
実際,試験対策の研修などでも,ホワイトボードに書いたこと以外にもノートを取っている人は,受かりやすいです。受かる人のノートを見ていると,板書したことの他に,途中の話や,自分の感想などを書き込んでいることが多いです。逆に,研修で「ホワイトボードに書いたことも書き写さない」人は,意外と多いのですが,こういう人はめったに受かりません。
写すことでも何でも,書くこと自体が,脳を活性化させているんだと感じています。ですので,私は,講義では,極力パワーポイントは使いません。基本的に,ホワイトボードに手書きで書いて,それをノートにとってもらう体制を取っています。あと逆に,私が講義やセミナーなどを受ける時には,資料の脇に,聞いた内容をできる限りいっぱい,メモしています。
そのほか,紹介されている方法としては,以下のようなものがあります。
 「毎日1つ,新聞の社説や雑誌の記事を写す」
 「複雑な話はビジュアル表現をして説明する」
 「MECEやロジックツリーなどで,考えを整理する」
社説などの記事を写す,というのは,高校の小論文の学習などでもよく言われる,王道の勉強方法です。
漢字が苦手だったり,ボキャブラリーが貧困だったりする人には,基礎力を上げるにはおすすめの方法です。論文試験の勉強法としては「合格論文を写してみる」というのがありますが,毎日継続してやるなら,とても効果的だと思います。
あと,「図にして表現する」ことは,頭が整理され,思考が活性化されます。
図にする過程でいろいろ頭を使って考えますし,ビジュアルに表現すると頭に入ってきやすくなります。「論理的思考」「問題解決技法」「クリティカルシンキング」など,様々な言い方で,このあたりの技法は紹介されていますので,一度きちんとやり方を学ぶ,というのはおすすめです。
私は,このあたりの手法は,グロービス・マネジメント・スクールの「クリティカルシンキング」講座で学びましたが,とても面白かったですし,教わった技術は実践的で結構使えます。
「考える」という行為は,元々の頭の良し悪しに左右されるように思われがちですが,実はやり方があります。
思考力は,この本のように「思考筋」と呼んだ方がふさわしい,日々の訓練や習慣の賜物です。毎日メモを取り,本を読んで文章を書いて,図に書いて整理する。。。という習慣をつけると,日々頭は良くなっていきます。
「うまくいくやり方」というのが体系化されているので,それを知って,日々実践すればいいだけです。
まずは,メモをとるため,紙とメモ帳を携帯するところから始めるのがおすすめです。