株式会社わくわくスタディワールド

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アヒルに教える

わく☆すた,美月です。
最近,面白い本を見つけて,はまって読んでました。「リファクタリング・ウェットウェア ―達人プログラマーの思考法と学習法」という本で,いろんな学習法や思考法が紹介されています。ウェットウェア(wetware)とは,「人間の思考方法」のことで,コンピュータシステムとの対比に用いられます。有名な,「達人プログラマー―システム開発の職人から名匠への道」の著者の一人が書いた,プログラマ以外にも使える,達人の考え方に触れられる本です。この本は,誰でも読めるとは思いますが,プログラマやIT技術者には特に,例えが身近なので,面白く読めると思います。
この本の中で,紹介したい話はいろいろあるのですが,自分の経験と合わせて,今日は,「教えることによって学ぶ」という話をしたいと思います。
人が学ぶ時,ただ本を読んで,インプットしただけでは,なかなか学ぶことができません。学んだことを定着させて,速く上手に学ぶためには,学習技術を知っておくと使えます。学習技術には,「効果的な読書法」「マインドマップ」など,いろいろありますが,私が一番効果が大きいと感じているのは,「実際に教えてみる」ことです。
「人に教える」という行為をするためには,まず,自分の中で頭を整理して,理解する必要があります。その時,「ちゃんと教えなければ」と必死になるので,脳は活性化して,自分で学ぶ時以上に,頭の回転が速くなります。その状態で学んだことは,ちょっとやそっとじゃ忘れません。
試験対策の講師をやった友人達は,「受かる前の勉強の時には不安だったけど,教えた後の今なら,試験に落ちる気はまったくしない」と口を揃えて言ってます。私も同感です。ですので,教える機会があるのでしたら,ぜひ,その機会は逃さないで生かしましょう。
。。。といっても,そんなにタイミング良く,教える機会はないですし,「自分が今学ぼうとしていること」は,人に教えるレベルに達していないことも多いと思います。そこで,先ほどのリファクタリング・ウェットウェアで紹介されていた,必殺技(?)をお教えします。
それは,
       アヒルに話しかける
       20090601cocolog_oekaki_2009_06_01_15_38

ことです。
この時のアヒルは,上の絵のような本物ではなく,お風呂に浮かぶアヒルの人形です。
別にアヒルでなくてもかまいません。うちには,チョビ(犬),はりねずみ,キツネ,ダイワスカーレット(馬)など,たくさんの聴衆(ぬいぐるみ)がいます。^^;
他の人に見られると,とっても恥ずかしい光景だとは思いますが,これは意外と,効果が大きいです。
恥ずかしい人は,「イメージトレーニング」でもいいと思います。
これは,私は講義に行く時の通勤電車でよくやっているのですが,話す内容をシミュレーションして,実際に話しているところを,想像してみます。そのとき,受講生の反応や質問などもイメージすると,よりリアリティが出ます。可能な限りシミュレーションしてから実際の講義に行くと落ち着きますし,実際には講義を行わない事柄でも,イメージトレーニングをすることで,しっかりと頭に残ります。
その他,同じような勉強をしている仲間がいるなら,「お互いに教え合う」というのもいいと思います。
2,3人の勉強会を勝手に開いて,自分が講師をする,というのも楽しいです。聞きたくない人に押しつけることにならないよう,ちゃんと内容をしっかり用意して,相手の需要と合わせる必要はありますが。見たい人にみてもらいたかったら,YouTubeにアップロードするという手もあります。
教えていると,わかっているつもりになっていた,「自分がわかっていなかった点」について明確になります。
いろんな気づきがあり,それが学ぶ力を向上させるのです。これは,「自分の中の気づき」が大きいので,実は相手がいつ必要もなく,独り言でも十分効果があります。もちろん,相手との協調学習という面もあるので,人に教えるのはそれ以上の効果はありますが,人がからむと,うまく教えられないプレッシャーやもめごとなどのデメリットもあるので,最初のうちは,人形に教えていた方が,精神的にも楽だと思います。
一度,近くにある人間以外のもの(動物,人形など)に,試しに教えてみてください。