株式会社わくわくスタディワールド

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応用情報技術者試験の合否のポイント

最近,参考書を書くために,過去問を分析しまくっていました。
そこで改めて気づいたのですが,近年の「応用情報技術者試験(以下,応用情報)」と,平成20年までの「ソフトウェア開発技術者試験(以下,ソフ開)」だと,試験の傾向がだいぶん違います。
そして,「合否のポイント」も,かなり変わっているんじゃないかと感じています。
以前,大学で教育工学を専攻していたので,「ソフトウェア開発技術者試験の因子分析」,つまり,「どの分野が合否に最も影響するか」ということを調べたことがあります。
その時には,「コンピュータ科学基礎(アルゴリズム)」と「データベース」が,合否に一番影響する,という結果が出て来ました。
ソフ開時代は,選択問題もありませんでしたし,この2つが重要だったと思います。
でも,応用情報では,その2つは,実はあまり合否に影響ありません。
単純に,「コンピュータ科学基礎」という分野について考えてみます。
この分野は,ソフ開時代は15問出題されていましたが,応用情報では8問です。明らかに半減しています。
しかも,その中のアルゴリズムとデータ構造を除く,「基礎理論」の分野は,出題数は3問しかありません。
その3問の中に,基数変換だったり,情報量の理論だったり,といった情報の理論がてんこもりで出題されています。
そして,明らかに問題が易しくなって,確率・統計や微分積分などの,純粋な数学問題は減っています。
この分野は,もうそれほど,力を入れて頑張らなくてもいいと思います。
もちろん,勉強がゼロでもいい,というわけではないのですが,高度な理論をきっちり勉強する,というところまでは必要なくなったのではないかと感じています。
データベースも,午前の出題は3問ですし,避けても合格出来ます。
次を見据えて,データベーススペシャリストを受けたいな,っていう人は,ひととおりやっておくのはおすすめですが,SQLを完璧にしたりとか,全員が無理に頑張る必要もないとは思います。
逆に,意外と合否を分けるのが,「システム戦略,経営戦略,企業と法務」のストラテジ系3分野。ここは午前で20問も出てきますし,勉強しないと,簡単に足元をすくわれます。理系の技術者の方は特に,要注意です。
とはいえ,ソフ開時代のような,「この分野だけはできないとダメ」という分野は,応用情報ではなくなりました。
正直,2つ3つ苦手分野があっても,合格はできると思います。
大切なのは,「いかに苦手分野をカバーしつつ得意分野で点数を稼ぐか」を戦略的に考えることです。
自分の特性を活かして60点を突破するために,何をすればいいのか,そして,「何をしなくてもいいのか」を明らかにする必要があります。
試験前1ヶ月ですし,最低限のことを言うと,午後で選択する分野を6つ,それなりに点数がとれるくらいに身に付けて,午前問題の過去問を3回分ぐらい理解して押さえておけば,合格はできると思います。
ポイントは,どの6つを選ぶか,というところで,自分の得意・不得意を的確に分析できるかどうかです。
残り1ヶ月,やれることは限られています。
できることから1つ1つ,積み上げていきましょう。