株式会社わくわくスタディワールド

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システムアーキテクト試験

わく☆すた,美月です。
今日は,新試験「システムアーキテクト」のお話しです。


アーキテクト(建築家)という言葉が,システム開発でも言われ始めたのは,7~8年ぐらいからだったと思います。システム開発でも,アーキテクチャを考えて,全体像を見ながら設計する人が必要だよね,という話は,いろんなところで聞きました。


当時,「職業としてのソフトウェアアーキテクト」という本が出て,ソフトウェアアーキテクトになりたいな,とちょっと憧れてました。
ソフトウェアアーキテクトの本質的な役割は,発注者(クライアント)の利益になるような設計を行うこと,とその本にはあります。クライアントの意見に耳を傾け,それを設計図に落とし込み,ビルダー(プログラマー)との間で橋渡しをする役目です。なので,全体像を見通して,全体最適の視点で考える必要があります。また,技術的にも,利用可能な技術に関して幅広い知識を身につける必要があります。


そこで,以前から「アーキテクト」の資格ができたらいいな,とは思っていたのですが,新試験制度でやっと登場したのが「システムアーキテクト」試験です。


。。。の割に,あんまり注目を浴びてない気がします。
まわりでも,「ITストラテジスト」や「ITサービスマネージャ」の話題は良く聞くのですが,「システムアーキテクト」は,話題にもあまりのぼってきません。(私のまわりだけでしょうか?)
なんとなく,アーキテクトという言葉の割に,地味な感じの試験です。


試験センターのホームページによると,システムアーキテクトの対象者像は,以下のようになっています。


  高度IT人材として確立した専門分野をもち、
  ITストラテジストによる提案を受けて、
  情報システム又は組込みシステムの開発に必要となる要件を定義し、
  それを実現するためのアーキテクチャを設計し、
  情報システムについては開発を主導する者


ちなみに,去年までのアプリケーションエンジニアの対象者像はこんな感じです。


  情報システム開発プロジェクトにおいて、プロジェクト計画に基づいて、
  業務要件分析からシステム設計、プログラム開発、テストまでの
  一連のプロセスを担当する者


だいぶん,イメージは変わっています。全体最適化を考えるように,上流工程に重点が置かれた印象です。


あと,試験範囲として,一番大きな違いは,役割と業務,期待する技術水準に,〔組込みシステム〕が加わったことです。午後1の組込みシステムのサンプル問題を見ると,「システムアーキテクト試験では,アプリケーションエンジニア試験に比べて組込みシステムが対象に加わることを示しています」ということで,午後1の1問ないし2問は,組込みシステムに置き換わることを示しています。
また,もう一問の,午後1の情報システムのサンプル問題を見ると,「アプリケーションエンジニア試験に比べて拡張された,「全体最適の視点からの情報システムの構造設計及びシステム方式の策定・設計」」という記述があり,アプリケーションエンジニアよりは,よりアーキテクト的な視点が求められることがわかります。
午後2も同様に,拡張された部分のサンプル問題が出ています。


今までのアプリケーションエンジニア試験は,論文試験の中でも簡単な部類に入る試験でした。私自身,最初に合格した論文試験ですし,基本的に自分が経験してきた「システム開発者の立場で」書けばいいので,無理なく論文が書ける試験でした。
今回の試験改訂で,若干「全体最適化」という高い視点が求められる問題も出るのかな,という印象ですが,あくまで,「拡張」された部分なので,従来と同じような問題も出ると予想されます。
私の個人的な予想では,午後2は,従来のアプリケーションエンジニアと同じような問題1問,全体最適化が問われる問題が1問,組込み1問,という感じだと思っています。

午後1に関しては,アプリケーションエンジニアの午後1は,もともとDFDやアクティビティ図,業務フローなどの設計をさせる問題が中心だったので,特に変わらないのかな,とは感じています。組込みが加わってくるので,組込系の技術者には選択肢が増えたのではないかとは思います。

試験参考書は,私が見る限り,アプリケーションエンジニア試験とほとんど変わっていないものばかりでした。午後は選択なので,新しい分野を取らない,と決めてかかれば,それもありだとは思います。
残念ながら,新しく追加された分野を勉強するのは,自分で情報を得ながら学んでいく必要がありそうです。

初回で面白そうな試験が目白押しですが,今のところ私は,このシステムアーキテクト試験を受けてみようと考えています。