株式会社わくわくスタディワールド

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ITサービスマネージャ試験

わく☆すた,美月です。
今日は,2009年度からの新試験「ITサービスマネージャ試験」について書きます。


先日,友人が,「ITサービスマネージャ試験をみんなで受けよう!」と熱く語ってました。
私が,「え~,それってシステム管理じゃん」と言うと,「名前が変わって,一気に印象が変わったのでおいしい資格。しかも,ITILとか,新しいことを身につけてるアピールにもなるし」と言われて,なるほどな,と感じました。


ITサービスマネージャ試験は,去年までのテクニカルエンジニア(システム管理)の後継の資格ですが,ITILを意識して,運用管理だけじゃなくもう少し大きく,ライフサイクル全体のマネジメントのプロセスについて見ていく感じです。


試験センター発表の,ITサービスマネージャの「役割と業務」は,以下のように定義されています。


【ITサービスマネージャ 役割と業務】
IT サービスの品質とコスト効率の継続的な向上を目的としてIT サービスをマネジメントする業務に従事し,次の役割を主導的に果たすとともに,下位者を指導する。


  1. 運用管理チーム,オペレーションチーム,サービスデスクチームなどのリーダとして,サービスサポートとサービスデリバリのプロセスを整備・実行し,最適なコストと品質で顧客にIT サービスを提供する。

  2. アプリケーションに関するライフサイクル管理のうち,システムの受入れ,運用などを行う。また,開発環境を含めて安定した情報システム基盤を提供し,効率的なシステムの運用管理を行う。

  3. IT サービスとマネジメントプロセスの継続的改善を行う。IT サービスの実施状況を顧客に報告するとともに,顧客満足度向上を図る。

  4. 情報セキュリティポリシの運用と管理,情報セキュリティインシデント管理を行い,IT サービス活動の中で情報セキュリティを効果的に管理する。

  5. 顧客の設備要件に合致したハードウェアの導入,ソフトウェアの導入,カスタマイズ,保守及び修理を実施する。また,データセンタ施設のファシリティマネジメントを行う。

ちなみに,テクニカルエンジニア(システム管理)の時は,こんな感じでした。


【テクニカルエンジニア(システム管理) 役割と業務】
情報システム基盤(業務システム共有のシステム資源)を企画・構築・運用する業務に従事し、次の役割を果たす。


  1. システム管理者として、情報システム基盤に関する構成管理・障害管理・性能管理・課金管理・セキュリティ管理を行う。

  2. 情報システムの安定的・効率的な運用のための改善活動を行う。

  3. 新規システム受入れに伴う運用テストとシステム移行を計画・実施する。

  4. システム利用者に対して技術的な助言・援助・支援を行う。

こうやって比べると,ITIL色が加わって,大分,言ってることが大きくなったなぁ,という感じですね。あと,新制度の方が,セキュリティ管理も重視されてます。
簡単にまとめると,「従来のシステム管理+ITIL(+セキュリティ)」っていう感じです。


出題形式で見てみます。
午前1は高度共通なのでいいとして,午前2。


出題範囲は,以下の8分野です
 コンピュータシステム
   コンピュータ構成要素
   システム構成要素
 技術要素
   データベース
   ネットワーク
   セキュリティ
 プロジェクトマネジメント
   プロジェクトマネジメント◎4
 サービスマネジメント
   サービスマネジメント◎4
   システム監査


◎4は,重点分野で最難関のレベル4,他はレベル3です。
これを見ると,実はプロジェクトマネージャの要素が大きいのかな,と感じます。


午後は,論文系の午後1はゆるいので,合否を分けるのはやっぱり午後2の論文だと思います。午後1は,過去問を解いて解ければ,大体問題ないです。ただ,ITILが試験に加わってくるので,このあたりの知識は,ちゃんと身につけておいた方がいいです。


個人的には,テクニカルエンジニア(システム管理)は,他の論文系に比べて,ちょっと楽な試験,という印象です。理由は,論文を書くのが比較的楽だからです。


論文を書くときの心構えとして,「立場をわきまえる」ことは大切です。
プロジェクトマネージャ試験などで,「自分が実際に開発した」立場から書くと不合格になります。システム監査で,第3者でなく当事者の視点でかくと,不合格です。
「システム管理者」というのは,管理をする人なので,比較的イメージしやすいですし,立場を外すことは考えづらいのです。単純に,「管理者の立場で,プロセス全体を考える」視点があれば,的を外すことは少ないです。


ですので,ちゃんと論文の書き方を練習して,必要な知識を身につければ,比較的合格しやすい試験区分だと考えています。
ITILが入ってきて試験範囲が広くなる分,逆にITILのフレームワークの考え方や知識を身につけて,それを論文に活かせれば,より楽に論文を完成させることができます。


いずれにしても,論文初心者の合格への一番のポイントは,「合格論文の書き方」を身につけることです。そのため,最初の論文対策では,一度論文対策講座に行ったり,論文添削を受けるのはおすすめします。
私自身も,最初の論文試験の時には,アイテックで開催された加藤忠宏先生の講座にお世話になりました。個人的には,勉強会形式でやってるものより,きっちり有料の対策講座を受けた方が最終的には速くて効率的だとは感じています。
1つ受かったら,論文試験は基本的に似たようなものなので,自力でも結構行けると思います。


とりあえず,この試験受けるなら,今のうちにやることは,ITILの勉強なのかな,と思います。
今出ている試験対策書見ると,昔のシステム管理の内容しか出てないものが多いので,ITILに関しては,専門書やITILファウンデーション資格の対策本などで,独自に勉強した方がいいです。
#正直,今からやらなくても間に合う,とは思いますが。。。^^;