株式会社わくわくスタディワールド

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試験の応募者数と今期の動向

お久しぶりのこそっと更新の美月です。
田舎に引っ越して,これでのんびりできると思ったのですが,7月ぐらいから月の半分ぐらいは東京に出張しております。
ということで,あんまり時間に余裕はないのですが,精神的には大分復活してきています。

写真は,先日近所の大斎原(熊野本宮大社旧社地)で行われた八咫(やた)の火祭りでの,ライトアップされた大鳥居です。

八咫の火祭り

熊野にいると,歴史と伝統に触れる機会が多く,太古の昔から変わらないもの,そして変わっていくものの両方に思いを馳せることが多いです。

というところで本題ですが,今日,IPAから『プレス発表 「平成27年度秋期情報処理技術者試験」の応募者数について』ということで,秋の試験の応募者数が発表されました。
増えているのは情報セキュリティスペシャリスト試験だけで,あとは軒並み減少しています。

情報セキュリティスペシャリスト試験は,相変わらず好調ですね。
私も最近の研修の仕事の大半は,情報セキュリティスペシャリスト試験対策だったりしますし,需要は確実に増えています。
多分,政府が力を入れていることや,サイバー犯罪が増えて高度化していることから,取得を推奨する企業が増えているのではないかと感じています。

実際,今の高度試験で,取って一番役に立ちそうなのは,情報セキュリティスペシャリスト試験だとは思います。
時代の流れにも乗っていますし,新試験制度や資格認定制度などが噂されるのも情報セキュリティがらみですし。
難易度も加味して考えると,一番今の時代に「お得」な資格ではあると感じています。

逆に,ネットワークスペシャリストは減りましたね。ついに2万人切りです。
前年度比だと93.9%で微減ですが,ほぼ毎年減り続けているので,この試験が始まった6年前,平成21年と比較すると,18,990/25,161×100≒75.5[%]ということで,ほぼ4分の3になった形です。

ネットワーク技術は,インターネット全盛の今の時代には大事なことは間違いないのですが,どうも注目はされていないみたいです。
データベースと一緒で,裏方となる大切な技術なのですが,基礎をしっかり築き上げていくというのは,最近はあまり流行ってないようには感じます。

論文系3種目も,軒並み減っていますね。
特に減少幅が大きいのは,システムアーキテクトの7.2%減(前年度比92.8%)で,こちらも試験が始まった平成21年と比較すると,8,181/13,056×100≒62.6[%]と,3分の2以下ですね。

正直なところ,論述系試験の評価は,昔ほど高くはなくなっているというのが現状だとは感じています。
合格率が上がって難易度が下がったというのもありますし,「論文試験は実は難しくない」という情報が,ネットや本などを通じて広く出回ったというのもあります。
企業でも論述系を特別に評価するところは減っているように見受けられます。

私自身,最初(平成14年)に最初の論述系試験であるアプリケーションエンジニア試験(今のシステムアーキテクト試験)に受かったとき,実は最初に「こんなので受かるなんて,この試験って実は難しくなくない?」と思ってました。
でも,当時まだ20代で,「論述系の試験も受かった!すごい!」みたいな感じの評価を受けて,ちょっと戸惑ったことを覚えています。

ですので,情報が公開される時代になって,単純に正当な評価が広まっただけではあるのですが,「ITストラテジストを取って人生逆転!」みたいな幻想は,もう現実的にはありえなくなってきていることは,知っておいてもいいと思います。

今後も,少子化などの影響で,基本的な試験から,人数は減少していくとは考えられます。
ただ,試験で身につけたスキルは仕事でも活かせますし,基礎を固めて実力をつけるという目的では,情報処理技術者試験の内容はかなり使えます。

気がつけば試験まであと1か月と少し,そろそろラストスパートの時期です。
今自分に必要なスキルを身につけるという意識で,一歩一歩,歩みを進めていきましょう。