株式会社わくわくスタディワールド

株式会社わくわくスタディワールド

応用情報技術者試験午後の問題選択の基準

わく☆すた,美月です。

私は,去年ぐらいから,いきなり高度区分を受ける受験者に対しては,「先に応用情報技術者試験を受けること」を強くおすすめしています。

平成20年度以前のソフトウェア開発技術者試験は,開発者以外の人が受けると難易度が高かったですし,万人向けというものではなかったので,飛ばしてもいいと考えていました。でも,平成21年度に,応用情報技術者試験ができてからは,「すべてのIT関連の技術者」向けの試験になったので,この試験をクリアしてから次に進むと,その後の勉強の効率が良いのです。

特に,応用情報技術者試験の段階を飛ばすと足元をすくわれがちなのが情報セキュリティスペシャリストやネットワークスペシャリストなどのスペシャリスト系の試験です。情報処理技術者試験は,スペシャリストといいながらも,ある分野固有の知識だけ聞くのではなく,その関連分野も結構深く出題されます。例えば,情報セキュリティスペシャリストでは,ネットワークやシステム開発,データベースなどの基礎知識は必須ですし,ネットワークスペシャリストでは,コンピュータシステムやITサービスマネジメントなどの知識のベースが必要になります。

ですので,高度区分にいく前に,ひととおりの知識を身につけておくと,その後の勉強が効率的になります。

そして,応用情報技術者試験は,午前問題は全分野必須ですが,午後問題は,12問中6問選択です。
この6問選択を行う時に,次に受ける高度区分を意識して選ぶと,勉強がつながって効率的に楽しく学べます。


応用情報技術者の午後には,最初の2択(問1と問2の1問選択)があるのですが,これは,次にスペシャリスト系の高度区分を意識するなら,問2のプログラミング(アルゴリズム)を選ぶ方がおすすめです。
プログラミングの知識は,他のテクノロジ系の分野を勉強するときに,大事な基礎知識になるからです。

特に,情報セキュリティスペシャリストとデータベーススペシャリストを受験するときには,プログラミングが関連してくる午後問題も多いですし,ひととおり基礎知識を身につけて抵抗をなくしておくことは大切です。
システムアーキテクトやプロジェクトマネージャも,プログラミングは分かっていた方がいいと思います。

それに,応用情報技術者試験のアルゴリズムの問題は,以前のソフトウェア開発技術者試験の時に比べて,難易度は格段に下がっています。ですので,普通に定番のアルゴリズムを勉強していけば,それほど無理をしなくても,合格レベルには到達できると思います。

問1のストラテジ系(経営戦略,情報戦略など)は,高度区分の勉強には,実はあまり結びつきません。
ITストラテジストやシステム監査などだと,一応関係あるような気はするのですが,だいぶん毛色は違います。応用情報技術者試験のストラテジ系は,純粋にITに関係のない経営戦略が出てきますので,全然別の勉強をする感じです。
情報処理技術者試験の後に,中小企業診断士など経営系の資格を目指している人には使えるとは思いますが,それ以外は次に結びつかないとは思います。

ですので,明確な目的がある時以外は,普通は問2のプログラミングを選択することをおすすめします。


問3から問12までは,自分好みの,次に受けたい高度区分に合わせて選ぶといいと思います。
単純に,好きな分野,次に勉強する分野を選べばある程度決まると思いますが,目標の区分別だと,以下の問題を選ぶことはおすすめです。

情報セキュリティスペシャリスト
問5(ネットワーク),問6(データベース),問8(情報システム開発),問9(情報セキュリティ),問12(システム監査)

ネットワークスペシャリスト
問4(システムアーキテクチャ),問5(ネットワーク),問9(情報セキュリティ),問11(ITサービスマネジメント)

データベーススペシャリスト
問4(システムアーキテクチャ),問6(データベース),問9(情報セキュリティ)

エンベデッドシステムスペシャリスト
問4(システムアーキテクチャ),問5(ネットワーク),問7(組込みシステム開発)

プロジェクトマネージャ
問8(情報システム開発),問10(プロジェクトマネジメント)

システムアーキテクト
問5(ネットワーク),問6(データベース),問7(組込みシステム開発)または問8(情報システム開発),問9(情報セキュリティ),問10(プロジェクトマネジメント)

ITサービスマネージャ
問5(ネットワーク),問9(情報セキュリティ),問10(プロジェクトマネジメント),問11(ITサービスマネジメント)

ITストラテジスト
問7(組込みシステム開発)または問8(情報システム開発),問10(プロジェクトマネジメント),問12(システム監査)

システム監査
問8(情報システム開発),問9(情報セキュリティ),問12(システム監査)


また,このあたりの過去問は,高度区分の勉強をするときに,問題演習としても使えると思います。
過去問は試験センターでも公開されていますので,一度力試しに解いてみるのもおすすめです。

目の前のことを考えて,「受かりそうな」問題選択をするより,将来を見据えて,自分に必要な勉強を行っていきましょう。