株式会社わくわくスタディワールド

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情報処理技術者試験は,普通のことを,普通にやれば受かる

今回,情報処理技術者試験の全区分を受け直してみて改めて感じたのは,「どの試験区分も,当たり前の勉強を,普通にやれば受かる」ことです。

情報処理技術者試験の高度区分は,あくまで「中級者レベル」の試験です。
試験で求められている内容について,ある程度の経験と,それに関する知識があって,あとは試験問題を解くのに必要な最低限の基礎学力があれば受かります。

ぎりぎりで60点突破を狙ったり,裏技を使って受かろうとしなくっても,必要なことをやれば合格できます。
別に入学試験のように定員が決まっているわけではありませんし,一定レベル以上の実力がつけば,合格するのはそんなに難しいことではありません。
ちゃんと勉強や仕事をして,「技術者として一人前」ぐらいのレベルの実力あれば,当たり前に合格できる試験です。

今まで,いろいろな受験生を見てきましたが,試験(特に高度区分)に合格できない場合の原因は,だいたい次の3つぐらいです。

1.勉強不足
単純ですが,一番人数的に多いのがこれです。
試験ですし,情報処理技術は学問でもあるので,ある程度勉強しないと受かりません。
全体的にその分野の勉強が不足している場合には,当たり前ですが不合格になります。
この場合には,やると決めて勉強することが一番重要になります。

2.経験不足
情報処理技術者試験は,実務経験者向けの試験なので,単なる机上の勉強以外にも,実務での経験も大事です。
基本情報技術者や応用情報技術者の試験の場合には,学生も多く受けますし,実務経験がなくても大丈夫ですが,高度区分は基本的に,実務を経験している人のための試験です。
まったく開発経験がないのにシステムアーキテクトを受験しようとしたり,運用に関わったことがないのにITサービスマネージャを受験しようとすると無理が出てきます。
頑張って特殊な勉強をすればカバーできないこともないですが,未経験者がそこまでして取る意味もないと感じています。

3.基礎学力不足
何年もちゃんと勉強していて受からない,という人に多いのは,「問題文をちゃんと読めていない」「文章がまともに書けない」など,情報処理以前の基礎学力に問題があることです。
思い込みが激しかったり,人の話を聞かない,といった特徴がある人は,なかなか受かりにくいという実感はあります。
基本的に,試験問題をちゃんと読めば,求められている解答がわかるように問題は作られています。
そんなに高度な学力は必要ありませんが,高校レベルぐらいの国語力や,中学レベルぐらいの数学力は必須です。

情報処理技術者試験は,試験センターの「情報処理技術者試験の概要」のページにもあるとおり,「情報処理技術者としての「知識・技能」が一定以上の水準であることを認定している国家試験」です。

超難関で,取った人が素晴らしい,というものではなく,「ある程度のレベルの実力はあるんだね」と判断するための試験です。
現実問題として,この試験は最近,取った人を優遇するより,取れない人を冷遇する用途に使う企業が多くなってきたとも聞いています。
ですので,「技術者として生きていくなら取っておくといい試験」ではありますが,「持ってる自分は偉い」というアピールはしない方がいいとは感じています。

また,勉強する内容そのものが,結構実務にも役立ったりします。
ですので,そういった本来の目的も合わせて考えると,仕事の片手間に,じっくり勉強して実力をつけるというのが王道です。

「午後1に合格するコツ」や「論文の必勝テクニック」などは知らなくても受かりますし,逆にそういうものを追い求めすぎると受かりにくくなるように感じています。
基本的に,その試験区分で必要な内容が理解できていて,それが答案を通じて適切に表現できれば合格です。

ただ,最近はテクニックや抜け道がいっぱい氾濫していて,「普通のこと」が何なのかがわかりにくくなっているように感じています。
参考書などで,「午後1必勝テクニック」を一生懸命身につけたり,「これだけ丸暗記」と書いてあるものをただ丸暗記するのは,本来の,普通の勉強法ではありません。

何が普通のこと,王道なのかは,改めて示す必要があるのかな,とは感じています。
今後は,そういった情報を発信していきたいと考えています。

合格発表も終わって,来月にはもう,秋の試験の申込みが開始されます。
そろそろ,次の方向性について,いろいろ考えていきましょう。