量をこなす方が最終的に早い
わく☆すた,美月です。
試験も終わったので,今日は付け焼き刃ではない勉強法の話をしたいと思います。
一般的に,受験勉強をするときには,「短期間で少ない量を学ぶのが効率的」と思っている方が多いです。
試験前の切羽詰まったときや,情報処理試験の午前試験などでは,それでもある程度効果が期待できますが,実はこれはあまり効率的ではありません。
ポイントだけ覚えても,すぐ忘れてしまいますし,覚えただけでは応用力がつかないからです。
試験参考書は,必要な知識がコンパクトにまとまっています。
ただ,紙面の分量の関係上,「知識の羅列」という形で書かれていますので,その技術が必要になった背景や,実際の現場での使われ方については書かれていません。
技術は,実際に使われてはじめて生きてくるものですし,生きた知識は一度覚えたら忘れません。
例えば,正規化などは,「第3正規形では,推移的関数従属性を排除します」ということを覚えて,やり方を理解することは重要です。ただ,それに加えて,実例と照らし合わせて,「第3正規形になってないから,見込み顧客の情報入れられないじゃん!」といった,実際の問題点などの情報と合わせて押さえると,知識は定着しますし,応用もききます。
こういった情報は,専門書だと結構書いてあります。
例えば,リレーショナルデータベース入門には,挿入時,削除時,更新時に起こってくる問題について,こと細かに説明がされています。理論書は,とっつきにくいですが,正確な情報を知るためにはおすすめです。
基本情報技術者,応用情報技術者試験だと,プログラムはなぜ動くのかあたりはおすすめです。1冊読んでも,コンピュータシステムとその周辺の分野のことしか書いてありませんが,その分野に関しては,応用が効く,10年経っても使える基本が身につきます。
個人的には,ソフトウェア工学分野には,オブジェクト指向でなぜ作るのかがおすすめですし,このシリーズには名著も結構あります。
ただ,注意が必要なのは,「シリーズものは必ずしもいい本ばかりとは限らない」ことです。
先ほどの日経BPの10年経っても使えるシリーズは,いい本も結構ありますが,それに便乗して出しているだけの本もあります。私も書いてるアイテックの,「新 読む講義シリーズ」も,玉石混淆といった感があります。翔泳社の情報処理教科書シリーズも,試験種目によって,質に大きなバラツキがあります。
執筆者がそれぞれ違うので,質に差が出るのは当たり前なのですが,なんとなく同じシリーズで出てると,いいもののような気がしてくる,という魔術には引っかからない方がいいとは思います。
そういう意味でも,参考書や専門書を買うときには,「大きな本屋に行ってじっくり見比べて買う」といいと思います。
私は,IT関連の本を買うときには,東京まで出かけていって,池袋や新宿のジュンク堂,神保町の書泉グランテや三省堂,秋葉原の書泉ブックタワーあたりにいってまとめ買いします。
いろいろ比較していると,それだけで結構勉強になりますのでおすすめです。
また,一冊ですべてをまかなえる本,というのは,高度情報処理試験ではありません。ですので,いろいろ試してみて,失敗したな,とか,このあたりの知識が足りないな,と思ったら買い足していけばいいとは思います。
そういえば,私も最初に第一種情報処理技術者試験を受けるときには,最終的に参考書や問題集は7冊買いました。1冊買って勉強していたのですが,問題集を解くのに必要な知識があまり載っていなくって,次に4分冊ぐらいになってる参考書を全部買いました。それでも最後に午後対策に不安が残っていたので,アイテックの「午後問題の重点対策」を買ってひととおりマスターしました。最終的には,この重点対策が一番自分には合っていたようです。ちょっと回り道をしましたが,結果的に次の試験にも活かせたので良かったとは感じています。
ということで,参考書や問題集は,ケチらず,また,「全部やってないからダメ」と自分を責めず,多めに買った方がいいと思います。
息抜きも兼ねて,自分の楽しみの分野の本も含めて,大きな本屋さんで本と戯れるのは,おすすめです。