株式会社わくわくスタディワールド

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解答は一つとは限らないけど,一つだと思って考える

本日(12月13日)正午,平成25年度秋試験の応用情報技術者、高度試験の解答例(午後)及び基本情報技術者試験の採点講評(午後)が公開されました。

ざっくり見てみましたが,自分が受けたITサービスマネージャの午後1問1設問3(3)は,答えが3種類あるのですね。
この問は,(a)と(b)に分かれてて,移転切替え当日の作業時間短縮について,その方策と前倒しできる時間について問われています。
いくつか答えがあるような気がして迷ったのですが,どっちでも良かったようです。
ちなみに私は,ウ群で解答して,20分前倒しという風に書きましたので,とりあえず合ってはいそうです。

手元に問題用紙と,書いた解答が残っている方は,改めて見直しをしてみるのもいいと思います。
試験の時とはまた違った,学びがあるかもしれません。

ということで,情報処理技術者試験ではこんな風に,答えが一つには決まらないことが時々あります。
3種類の解答というのはめずらしいですが,2種類併記されていることはよくあります。
記述式の問題の性質上,完全に答えを1つにするのは難しいとは思います。

ただ多分,問題を作る側の立場から考えると,最初から答えを2つ以上想定して作っていることは,あまりないと考えられます。
基本的に試験問題は,答えが一意になるようにいろいろ検討しますし,解き合わせなどもやって,問題がないかどうかを確認します。
その上で,想定外の解答もよく考えたら正解,というときに別解となるのだと考えています。

ですので,「最初から別解狙い」で何でもいいから書く,とやると,答えを外す可能性が高くなります。
本来は,1つの解答を求めているはずなので,その求められている解答を導くように考えるのが基本です。
試験問題は基本的に,流れを読めば答えは一つになるように作られています。
別解が事前に考えられる場合には,答えが一つに絞れるように,ヒントなどを追記することもあります。

特に,情報セキュリティスペシャリスト試験の場合には,答えが一見,複数に見えて,どうとでも書けそうに感じることも多いと思います。
その時に,どの答えが求められているのかは,試験問題の問題文の状況によって変わります。
同じことを聞いているように見えても,会社の状況次第で答えも変わってくることがあるからです。

できる限り,答えが一つだと信じて,求められている解答を探す,という過程はとても大事です。
それをやって,深く考えることで身につく実力もあります。
過去問演習などで,適当に答えて,解答合わせして「合ってた,違ってた」だけだと,気づけないことも多くあります。
「なぜそれが正解で,それ以外は間違いなのか」を,問題文の中から根拠として見つけ出す練習は,とても大事です。

これは,仕事で,「臨機応変に,その場での状況に最適な答えを出す」という訓練にもつながると考えています。
最適な解を,なるべく熟考して,ベストなものを導き出すという姿勢です。
仕事では答えは1つではないことも多いですが,実行できるのは1つだけということも多いです。
とっさに,なるべくいい手を考えられるように思考訓練する,と考えると,試験勉強の頭も実務につながってきます。

別解があるということを知ると,つい,「こんなんでもOKかも」と適当に答えを書きがちになるのですが,大体の場合はそれは認められません。
ベストな答えを1つ求めて,しっかり頭を使って考える習慣を身につけましょう。