株式会社わくわくスタディワールド

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記述式の解答は「覚える」のではなく「納得する」

何度もお伝えしていますが,秋の情報処理技術者試験の申込締め切りは,本日8月23日20時です。
受けようと考えていて,まだ申し込まれていない方は,急いで受験申込みを行いましょう。

最近,仕事でよく,答案の採点をしています。
模擬試験などで,解答がわかっていない場合の採点では,単純に解答を読んだらわかっているのかどうかが判断できます。
でも,企業研修などで,「過去問」を解いてもらった答案を採点すると,悩ましい答案によく直面します。

例えば,解答例と結構似たことが書いてあるはずなのに,微妙に的外れな答案はよくあります。
多分,一度解いて,解答を「覚えた」んだろうな,と推測できる答案です。
ただ,微妙に「解答とは似て非なる答案」になっていることが多く,なんとなく単語は覚えたけど,読むと意味が変わってしまっている,という場合が多々あります。
この場合には,「解いて解答は一度覚えたけど,理解はしていない」ということが読み取れます。

「正しい答案を書くこと」にこだわりがちな人がよく陥る落とし穴です。
解答例が正しいから,よく分からなくってもこういう風に書けばいいんだ,と思い込んで覚えるんだと思います。
ただ,それだと臨機応変に対応できなくなるので,過去問以外だととたんに解けなくなります。

大事なのは,解答そのものよりも,「解答に至るまでの過程」です。
記述式の場合,一字一句違わない問題と解答がでるということはありません。
でも,「解答までの過程や考え方」は同じことが多いので,問題演習でその考え方を身につけられると,新しい問題に対応できます。

考え方が身につけられると,高度区分の午後問題は,「過去に出たことがあるような内容だらけ」になります。
そうではなく,解答だけを覚えていると,ちょっと表現が違うと新しい問題に見えるので,すぐにわからなくなります。

考え方を身につけるためには,数多くの過去問を解くよりも,1問をじっくり解いてみることがおすすめです。
「なぜその解答になるのか」について,設問すべてについて納得できるようになれば,1問解いただけでも,かなり実力はアップします。
「完全に納得できるまで次の問題に行かない」ぐらいの心構えでもいいかもしれません。

同じ問題で演習しても,やり方によってその効果には大きく差ができてきます。
「過去問10年分やったからOK」というわけではありませんし,じっくり完璧に理解できるなら,1年分でも十分かもしれません。

じっくり納得するまで学ぶには,解説の詳しい過去問集はとても役に立ちます。
本気で勉強する時には,2,3冊過去問集を揃えて,比較しながら納得のいく解答を選び出していくのもおすすめです。

用語など,暗記すればいい問題も確かにあります。
ただ,情報処理技術者試験はレベルが上がれば上がるほど,暗記の割合は下がってきます。
どこかの時点で,暗記ではなく理解中心の勉強に変える必要があるのです。

試験まであと2か月弱,これからの時期は,過去問などで問題演習を行うことが合否のカギとなります。
ひととおり知識の確認をしたら,早めに過去問演習にじっくりとりかかっていきましょう。