株式会社わくわくスタディワールド

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用語を覚える勉強は非効率

わく☆すた,美月です。
私は,「ポケットスタディ」など,ポケット型の用語集で勉強を行うことには,反対派です。
人それぞれ考え方があるでしょうが,私は,この手の一見「効率的そうな」勉強法は,実は非効率だと思っています。
基本情報技術者試験ぐらいの時には,用語集丸暗記で,合格するだけなら行けると思います。
ただ,これをやると,試験後すぐに忘れてしまいますので,応用情報技術者試験の時には,もう一度勉強をやり直すことになってしまい,二度手間になります。
用語だけ軽く覚えた知識はなかなか定着しないので,試験を受けるたびに忘れてしまい,かえって大変な勉強になります。それに,高度区分になってくると,ただ覚えただけの知識では,全然通用しなくなってきます。
一度,全体的な流れで学習した方が,忘れにくいですし使える知識になります。
例えば,ネットワークの階層モデルである,OSI7階層は,基本情報技術者試験では,7階層を語呂合わせでも何でも覚えれば問題は解けます。ただ,応用情報技術者試験になると,考え方自体が問われるので,ただ覚えているだけではなく,それぞれの階層の特徴や,モデルの意味が分かっていないと正答できません。
そして,ネットワークスペシャリストや情報セキュリティスペシャリストの場合には,この階層モデルを使って,トラブルシューティングする必要がでてきます。そのためには,覚えているだけではなく,「身につけている」ことが大切です。
英語の勉強の時,あまりやらない方がいい勉強法としては,「単語集で英単語を覚える」ことです。これは昔から,「「超」勉強法」や「難関大学も恐くない 受験は要領―たとえば、数学は解かずに解答を暗記せよ」などでも述べられていますが,かなり効率の悪い方法です。
英語の場合,単語だけ覚えていても,なかなか実際の場面では出てきません。それよりは,文章全体を覚えて,「こういう文脈で使うんだ」ということで全体を暗記した方が,記憶に定着しやすいですし,使える知識にとなります。
単語を1つ1つ単語集で覚えるよりは,文章を丸ごと暗記してしまった方が,一見覚えることが多くて大変なように見えますが,実は効率的です。
情報処理技術者試験の勉強も,ポケット本などで「単語」を覚えても,あまり使えないことが多いです。特に,午前問題はなんとか解けても,午後ではあまり役立ちません。周辺の知識と合わせて,全体の流れを理解することは,とても大切になります。
ですので,最高なのは,時間がかかっても専門書などでひととおりの知識を学習すること。そしてその後で,午前や午後の「試験問題単位」で知識を学習することです。
単語を暗記するよりは,午前問題などでは「試験問題全体」を解説も含めて学習することの方がおすすめです。別に問題全部を暗記する必要はないですが,問題とからめて用語などを理解して暗記した方が,知識として取り出しやすくなります。
本来,情報処理技術者試験の勉強は,仕事に役立てるためのものです。ですので,IT関連の仕事に役立つような知識が,体系化されて詰まっています。用語を覚えるのが目的ではなく,その用語の意味を理解して,「あ,これ仕事で使えそう」という風に気づくところに,本当の意味があります。
今の時期だとまだ余裕もありますし,できるだけ,用語を覚えるだけではなく,一連の流れとして,それぞれの分野をしっかり学習することをおすすめします。