株式会社わくわくスタディワールド

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システム監査技術者合格体験記:まささん

今回いただいた合格体験記の掲載最終回は,春試験のシステム監査技術者になります。

先日,「システム監査技術者の参考書」の記事でも書きましたが,システム監査技術者試験は,参考書もあまりなく,情報も少ないです。
そのため,すごく難しいイメージを持ちがちなのですが,実際にはきちんと対策を行えば,着実に合格できる試験でもあります。

経験がなくても,知識と考え方を身につければ解けますし,逆にシステム監査技術者に合格した後で,監査人への道が開ける人もいます。
他の高度区分をいくつか取得した後に,最後の仕上げとして取り組むのに最適な区分です。

今日の合格体験記は,6回目の挑戦で見事システム監査技術者試験に合格されたまささんです。
まささんは,「ITストラテジスト合格体験記:まささん」でも,合格体験記をいただいています。

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【基本情報】
氏名:まさ
年齢:48歳
システム監査受験:6回目
点数:
 午前1 免除
 午前2 68点 
 午後1 67点 (問3,問4を選択)
 午後2 A (問 3を選択)

システム監査は2005年から受験しており6回目の受験で合格できました。初めの2回は,全く解らない状態からのスタートで午前を受験するだけで精一杯でした。受験できない2年間があり,その後再スタートしました。5回目で午後1通過,6回目で合格できました。長かったです。時間がかかった分,合格発表を見たときはとても嬉しかったです。
諦めずに受験しておれば合格できると言うことを実感しました。
仕事が忙しくあまり時間がとれない中での細く長くの勉強でした。皆さんも勉強時間の確保に苦労されているのではないかと思います。そんな方に役に立てていただければと思い,合格体験記としてまとめさせていただきます。
これから受験する方には出来るだけ時間をかけずに楽に楽しく合格できるよう,参考にしていただけたらと思います。


【試験に向けて,勉強した内容】
システム監査は,仕事でも経験した事がない分野なので最初は「システム監査とは?」を知るところからのスタートでした。プロマネなどの開発系の試験とは立場が全然違うため,知識を付ける必要がありました。参考書を一冊毎日鞄の中に入れて持ち歩き,読むようにしました。

1.午前2問題対策
午前問題は,IPAから過去3年分の問題を印刷し,間違った問題を繰り返し解くようにしました。各問題のキーワードをノートに書き出して,繰り返し出題されている問題を分析しました。

2.午後1問題対策
午後1は,問題集で過去問を解きました。ポイントはあくまでもシステム監査人として客観的にあるべき姿をイメージして問題点を指摘するように注意して問題を解きました。
監査対象からは独立していて客観的に指摘事項を書く。これが,他の試験と違う大きなシステム監査の特徴だと思います。
どの試験も同じだと思いますが,もうひとつのポイントは,どれだけ集中して問題を読めるか?だと思います。私の解き方は,設問を先に読んでから,問題を読む問題を読む方法です。設問を頭に入れてから,問題を読む時に答えを見つけて印をつけながら読むようにしました。そして,1問30分以内と決めて問題を解きました。30分という時間制限をもうけることにより集中して読むように訓練しました。
また,勉強仲間と集まって同じ問題を解き,回答内容を添削し合うことをしました。正しいと考えている回答の何が駄目なのか人の意見を聞くことによりとても勉強になりました。

3.午後2対策
システム監査の論文は,プロマネなどの開発系の論文と違い,経験や考えた事を書くのではなく,システム監査人としてあるべき姿の監査手続きを客観的に書くよう注意しました。これが,システム監査は他の試験と違うと言われる大きな特徴です。
私は,システム監査の実務の経験が無いため,サンブル論文を読み疑似体験するようにしました。初めはサンプル論文を書き写すことから始めました。初めは論文を書き写すだけでも2時間かかりました。私はこれを「写論」と呼んで,論文の勉強を始める人に勧めています。サンプル論文を読んで写論をすることにより,次第に論文で書くべきことが解ってきました。

4.毎日の勉強方法
できるだけ楽に,時間を有効に使う方法を考えました。聞く勉強です。移動時間などのすきま時間に,聞く勉強をしました。
これらを,音声ファイルにしてiPodに入れて繰り返し聞きました。
・システム監査技術者の対象者像
・システム監査試験シラバス
・合格サンプル論文
・自分で書いた論文
 PCのフリーソフトで,テキストファイルを音声ファイルにして,iPodに入れました。
移動時間などにずっと聞くようにしました。繰り返し聞くことにより自分がシステム監査人になりきるようにしました。

5.あさべん
午前問題や午後1の勉強は,あさべんを続けました。朝に勉強することです。仕事の後の疲れた状態では効率が悪いと思い,朝に30分から1時間勉強しました。時間に制限があるため集中して勉強することができました。

【試験の感想】
1. 午前2
だいたい過去問と同等の問題かなと感じました。新しいキーワードも数問ありました。
正解の自信の有る問題は12問,たぶん正解だろうと思える問題を含めると17問でした。
6割は大丈夫だろうという感触でした。結果は17問正解で,足切りならずにすみました。

2. 午後1
解答を問題用紙にメモして持ち帰りました。回答例で自己採点したところ正解率は5割でした。もう少し出来ている自信があったのですが,6割りは難しいかと考えてました。
結果は67点でした。結構部分点をもらえるものなのかと思いました。

3. 午後2
午後2は,問3を選択しました。現在の実務に関連しているシステム冗長化とシステム復旧手順に関する監査の問題でした。15分程度ストーリーを考えてメモする時間に使い書き始めました。以下のような時間配分でした。
14:30-14:46 16分 ストーリー考える
14:47-14:50 5分 概要記入
14:50-15:20 30分 設問ア
15:20-15:50 30分 設問イ
15:50-16:25 35分 設問ウ
16:25-16:30 5分 ざっと見直し
設問に答えられていない部分もあるなと感じながら最低文字数で書き上げました。だいたい時間は予定通りでした。設問に答えられていない部分が有るため,合格は難しいかと考えていましたがA判定でした。設問に答えられていない部分について迷いながらも書き進めて良かったと思いました。


【今後の受験者に向けてのアドバイス】
論文系の試験はどれも同じだと思いますが,一番大切なことはその試験の対象者になりきることです。システム監査人の視点で受験することです。特に開発経験のある人は,開発者やプロマネ視点になりがちなので注意が必要です。システム監査の場合,特に監査対象からは独立した立場なので,明確に立場を表現する必要があります。

午前問題については,3年分の過去問をマスターすれば合格できると思います。

午後1は,国語力が必要です。頭のなかで答えが解っていても,制限文字数内で的確に表現する必要があります。ポイントとなるキーワードを含めて短文を作成するテクニックが必要です。問題を解く時に,自分の手で答えを書いていると次第に身に付いてくると思います。解答を自分の手で書いてみて,正解例も自分の手で書き写す練習をするとその違いが解ってくると思います。繰り返し問題を解いていると身に付いてきます。

午後2はとにかく手を動かして自分で論文を書いてみる練習が必要です。論文も慣れだと思います。慣れれば誰でも合格論文が書けます。注意するする点は,システム監査人として論文を書くこと。問われていることに答える,この2点だと思います。また,上に書いたように論文作成の自分のペース,時間配分をつかむ事も必要です。練習する時に時間を意識することも必要です。

システム監査技術者試験は難しいと言われていますが,「システム監査基準」と「システム管理基準」の,テストによく出題されるポイントを押さえれば合格できると思います。
プロマネやITストラテジストは,ある程度経験が必要に思いますがシステム監査は経験がなくても出題ポイントを押さえれば,合格レベルになれると思います。私は合格までに時間がかかりましたが,これから受験する方は,効率的に勉強してほしいと思います。お役にたてればと思います。

最後に,仕事でも忙しく時間の無いなかで勉強を続けることはとても難しいと思います。
モチベーションを一時的に上げることは簡単ですが,モチベーションを継続することはとても難しい事だと思います。私は,勉強を楽しく継続するにはどうしたら良いか?考えました。答は,同じ目標に向かって進む仲間を作ることでした。仲間と刺激しあいながら勉強する事によりモチベーションを継続することができました。仲間と一緒に勉強することにより合格することができました。勉強仲間には感謝しています。これから受験する方は効率よく楽しく勉強して合格してほしいと思います。

この合格体験記が皆さんの役にたてれば幸いです。ぜひ,楽しく勉強を続けて下さい。
『仲間がいれば,勉強は楽しい!』